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犬のトレーニング・行動学関連書籍類の紹介です

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犬と話そう:犬とつきあう本Part2  2003/04/22
On Talking Terms with Dogs: Calming Signals  2003/04/16
Click for Joy!: Questions and Anwers from Clicker Trainers and Their Dogs  2003/04/13
Don't Shoot The Dog!: The Art of Teaching and Training  2003/04/04
Clicker Fun: Click and Fix  2003/03/30
Clicker Fun: Click and Go  2003/03/27
Clicker One: Getting Started  2003/03/22
Click to Win!: Collected Articles from the AKC Gazette  2003/03/19
Clicking with Your Dog: Step-by-Step in Pictures  2003/03/16
Getting Started: Clicker Training for Dogs (Revised Edition)  2003/03/02


犬と話そう:犬とつきあう本Part2

河原まり子、利岡裕子
偕成社
1999

後書きを見ると「この本は、犬が好きなすべての子どもたちのために書きました」(p. 173)とあるように、これは子供向けの本なのですが、実はカーミング・シグナルの理論を元に書かれているものです。先日、On Talking Terms with Dogs: Calming Signals (Rugaas, Turid, Translated by Terru Ryan, Legacy By Mail, 1997) を読んでこのJournalで紹介した後で、フレンチ・ブルドッグのモカちゃん宅のぶちぞうさんに、『徹底解明 カーミングシグナル』(平沢正博、エーディーサマーズ、2000)というのがあるよ、と教えていただきました。それももちろん読んでみたいのですが、『犬と話そう』は、先日日本語の本を注文した時についでに頼んだもので、こちらが先になりました。実物を見ないで注文したので、こんなにかわいらしい本だとは思いませんでしたよ(笑)。

この著書でcalming signalは、「カーミング・シグナル」とそのままカタカナ表記で使われていますが、「なだめ信号」と注があります。分かるような分からないような説明だなぁ。と言うものの、なかなかいい訳が見つからないのも事実。

第一章は「犬のことばとは?犬は不思議な動物です」というタイトルで、犬はなぜ人間と共存できるのか、カーミング・シグナルは犬が日常的に使う言葉であること、そしてその効用について述べられています。第二章は、「なだめたり、なだめられたりの犬語を使って、犬とリラックスして話そう」となっています。ここでは、一つ一つのカーミング・シグナルについて、その動作と意味の簡単な解説があります。第三章は「犬の習性や行動を理解して、犬と仲よく話そう」というタイトルで、犬のボディ・ランゲージを理解することにより、犬をより良く理解することについて書かれています。

冒頭にも書いたように、 これは子供向けに書かれたものなので、大人には内容的に物足りないのですね。しかし、特に犬と暮したことがない子供に読ませたり読んであげたりするといいかもしれません。単純だけどかわいいイラストも豊富で、かわいい本です。
Date: 2003/04/22


On Talking Terms with Dogs: Calming Signals

Turid Rugaas
Translated by Terry Ryan
Legacy By Mail
1997

これは、以前からいろいろな著書で引用されたり参考文献として挙がっているのを見ていて、近いうちに読んでみたいと思っていた一冊です。犬はパック・アニマルですから、他の犬とのコミュニケーションに何らかの方法を用いているとは漠然と考えていましたが、この著書を読んでいろいろなことが明確になりました。

狼は「カット・オフ」シグナルと呼ばれるボディ・ランゲージを持っているそうです。これは、他の狼がアグレッシブな態度に出た時に、それを「カット・オフ」する効果があるものです。このことは、狼の行動学関係の著書には普通に書かれていることだそうですが、実は犬も衝突や対立を避けるための社会的能力を持ち合わせているそうです。犬の行動をじっくり観察した著者は、このことに気付き、これを「カーミング・シグナル」と呼ぶことにしたそうです。というのは、犬の場合、何かその犬にとって不利益な事が起こってからではなく、起こらないように使われるので、「カット・オフ」という言葉は適当でないと思ったからだということです。このシグナルは、犬がストレスを感じたり居心地悪く感じた場合に、自分を落ち着かせるために使われるそうです。また、相手に安全だと感じさせたり、シグナルで伝えようとしていることが善意からの行為であることを理解させようとするそうです。そして、犬が他の犬や人間と友達になるためにも使われるそうです (p. 1)。この著書の目的は、そのような犬の発するカーミング・シグナルを人間が理解し、犬とのコミュニケーションに役立てるということです。

第二章では、具体的なカーミング・シグナルが紹介されています。例えば、他の犬が近付いて来た時に犬は顔を背けることがあるのですが、これは相手の犬に落ち着くように伝えているのだそうです。その犬が、相手の犬が近付いて来るのが速すぎたと感じたり、カーブを描くようではなく直線的に正面から近付いて来た、などがこのシグナルを出す原因として考えられるそうです。それを理解した上で人間がこれを使えるのはどのような場合か。例えばあなたが犬に近付いて行こうとした時に、その犬が怖がっているように見えたり心配しているようだったりした場合に、犬から顔を背ければいいそうです。怖がった犬が吠えたり歯を剥いて唸ったりした場合も、顔を背けろ、ということです。

欠伸もカーミング・シグナルの一つだそうです。例えば大きい音がして犬が怖がっている場合に、私も含めて普通の飼い主は「大丈夫、大丈夫」などと言って犬を抱こうとしたりしますね。人間の場合はそうすることにより、安心感を与えたりしますからね。犬は普通の精神状態なら、飼い主のこのような言葉のトーンから何かしら安心感を与える要素を感じるのでしょうが、パニックになっている場合には難しいかもしれません。そんな場合にもっと効果的なのが、カーミング・シグナル。例えば、声をかける代わりに犬の前で欠伸をしてみると、犬は「お、この人、私式の落ち着かせ方が分かっているじゃない」ということになり、効果的だそうです。

幸と一緒に暮して4年半弱ですが、幸は私の言葉をよく理解しているようです。毎日の生活のコンテクストの中で覚えたのでしょう。幸とのコミュニケーションがもしうまくいかなかった場合、私の言うことが分からない、と幸を攻める代わりに、幸の発するシグナルを私の方が理解しようとすることも大切なんだぁと、この本を読んで実感しました。

この著書は、40ページに満たない小さいものですし、文章が素晴らしいわけでもありません。しかし、無駄を全部省いて絶対に伝えなければならない最低のことが凝縮されたような、内容の濃いものだと思います。
Date: 2003/04/16


Click for Joy!: Questions and Anwers from Clicker Trainers and Their Dogs
Melissa C. Alexander
Sunshine Books
2003

この本の執筆は、彼女がオーナーになっているClickerSolutionsというメーリングリストで、繰り返し寄せられる質問に対するいろいろなメンバーからの答えに、100%満足できなかったことがきっかけになっているそうです。一般的な質問に対する回答は、経験が豊富なトレーナーからの回答でさえも、相反していることもあるそうです。皮肉なことに、この矛盾しているように見える回答は、どれも「正しい」場合が多いのですが、対立したり矛盾したりする原因は、それらの回答が「完璧」でない場合が多いからだそうです(p. xiii)。それで、一般的な質問に対する「完璧」な答えを、経験豊富なトレーナー達の意見を元に書こう、と思ってできたのがこの著書だそうです。

本の構成としては、FAQsが14の項目に分けられています。「クリッカー・トレーニングについて」(第一章)から始まり、後半の方ではそれぞれの動作の教え方(例えば「お座り」をどのように教えるか)、問題行動に対する対処法など。そして、最後の2章は「トレーニング以外のこと」、例えばどのようにしたら犬といい関係が持てるか、など、そして、クリッカー・トレーニングの元になっている「サイエンス」について解説があります。

第二章の「必要な物」の項で、必要な物としてクリッカー、トリートや他の陽性強化を助ける物、首輪、リード、ターゲット、ターゲット・スティック、そしてビデオカメラが挙がっています。私はターゲットは使いますが、ターゲット・スティックは使っていません。使おうかと思ったこともあったのですが、別になくても差し支えないことが分かったので、止めました。物は使わずに、コンセプトだけ使っています。ビデオカメラは、いいアイデアだと思います。クラスに行くと、壁の一面が鏡になっていて、自分がどのように教えているか見たければ見る事ができます。家にはそのような場所がないので、ビデオを撮ってもらったらはっきり分かりますよね。

第六章では、私が以前から「これはどうなのかなぁ」と思っていたことに対する、著者の考えが書かれていました。クリッカー・トレーニングでは、ハンドラーが期待していることを犬がしたら、クリッカーが鳴っていいことがあるのですが、それを犬がしなかった場合には、当然クリッカーは鳴りませんし、いいこともありません。私が見てみた著書やビデオの中には、no reward marker (NRM)として、'uh uh' や'wrong'(「いや違う」「正しくない」)という言葉を入れているものがありました。私は、期待したことを幸がしなかった場合には何も言わずに、クリックも鳴らないしいいこともない、ということを幸に分からせて来たつもりでした。何も言わないでも分かっているようなので、NRMは必要はないと思っていたのですが、入れているものもあるので、どちらの方がいいのかなと思っていました。この著者の意見によると、このような言葉によるフィードバックは、犬によっては逆効果になる場合もあるそうです(p.57)。「私が期待していたことと違うよ」というインフォメーションを伝えているだけでなく、言葉で罰を与えている結果になることもある、ということです。強化されない行動は自然消滅していくものだと考えると、期待したことと違うことに、わざわざ何らかのコメントをする必要はないのでしょうかね。

この本、各ページにブランクスペースが多いせいと厚い紙が使われているせいで、字数はたいしたことないのですがずっしり重い。私は、この類いの楽しみのための本を読む時には、机に本を置いて姿勢を正して読む、ということは稀。たいていカウチで楽な姿勢を取りながらになります。そうすると、本の重さや大きさが結構気になるんですよね。ちなみに、この本を幸飯のスケールで測ってみたのですが、1ポンド3オンスありました。重いですよ、これ。
Date: 2003/04/13


Don't Shoot The Dog!: The Art of Teaching and Training

Karen Pryor
Bantam Books
1999

私はこれを読む前に、同じ著者による著書を二冊読みました。一冊は、AKCの出版物に載せた記事をまとめたものですから、仕方がありませんが、もう一冊も非常に薄い、本というよりはブックレットみたいなもので、物足りなさを感じていたんです。上辺だけをさらっと説明してくれただけで、もう少し突っ込んだ議論は?と感じていました。上記の本を読んで、その理由が分かりましたよ。この著書に十分説明されているからなんです。ということは、これを読まないと、彼女の言いたい事が十分に理解できないということになりますね。

著者がこの本を最初に出版したのは1985年で、それから新たに学ぶこともあったようです。私が読んだバージョンには、「前の著書には〜と書いたが、今はこう思う」というような記述が目立ちました。いいことですよね。同じ事を何年も研究/実践していて、新しい発見がない方がおかしいはずですから。

この本のタイトルには「犬」という言葉が入っているので、犬のトレーニングの本だと思うかも知れません。しかし、カバーしている内容は、犬に限りません。むしろ、人間の例の方が多いぐらいです。ただ、コンセプトは同じなので、人間の例を使うと共感できる部分も多いと思います。

「シェーピング10法則」と「望ましくない行動除去の8つの方法」は、彼女の他の著書にも書かれていますが、この著書ではそれぞれの一つづつについて、かなり詳しく説明があります。特に「望ましくない行動除去8つの方法」については、8つの方法に共通の例を挙げることによって、法則の違いが如実に分かるように効果的に説明されています。

「望ましくない行動除去8つの方法」は、次の8つです。

1)その動物をピストルで撃つことにより排除(これは絶対に有効。その動物に関する特定の問題を二度と扱わなくてよくなる)
2)罰を与える(皆のお気に入り。ほぼ効果はないに等しいのだが)
3)負性強化(期待していることが起こった場合に、望ましくないことを取り除いていく方法)
4)消滅(自然に望ましくない行動が消滅するのを待つ)
5)非両立性の行動をトレーニング(スポーツ選手とペットオーナーには特に有効な方法)
6)望ましくない行動をキューによって制御(そして、そのキューを決して出さない。イルカのトレーナーが、望ましくない行動の除去によく使う方法)
7)望ましくない行動以外の全てを強化する(不快は親戚を快い親戚に変える方法)
8)動機の転換(最も基本的で最も親切な方法)

それぞれについて、共通の10の例が挙がっているのですが、その一つ、「一晩中庭で吠える犬」という問題行動のある犬のケースを見てみましょう。(pp. 99-139)

1)その動物をピストルで撃つことにより排除:犬をピストルで撃つ。犬を売る。獣医の所で、声帯除去手術をしてもらう。
2)罰を与える:犬が吠えたら、叩く。ホースで水をまく(ただ、犬は飼い主がわざわざ出て来てくれたことの方が嬉しくて、そのような「罰」は許せてしまうかもしれない)
3)負性強化:犬が吠えたら、犬小屋に強力な光を照らす。静かになったら、それを消す。
4)消滅:犬が吠えるというのは、それ自体が強化行為なので、自発的に消滅するということはほぼない。
5)非両立性の行動をトレーニング:コマンドで「伏せ」をするようにトレーニングする。犬は「伏せ」をしている時に吠えることは滅多にない。窓から顔を出して、コマンドを大声で言う。あるいは、犬小屋にインターコムを付けて、犬にコマンドが聞こえるようにする。吠えるのを止めたら、ご褒美として誉める。
6)望ましくない行動をキューによって制御:食べ物を使って「話せ!」のコマンドで吠えるようにトレーニングする。コマンドがなければ吠えても仕方がないから(吠えてもご褒美の食べ物がもらえないから)、吠えなくなる。
7)望ましくない行動以外の全てを強化する:犬が10分間、20分間、一時間吠えずに静かにしていたら、犬小屋に行って誉める。
8)動機の転換:犬が吠えるのは、寂しい、怖がっている、退屈している、などの理由である場合が多い。昼間十分に運動させ構ってやると、夜は疲れて眠くなる。寂しいようだったら、一緒に寝られる犬を用意する。夜だけ犬を家の中に入れる。

この他にもいろいろなおもしろいことが書いてありました。彼女の個人的な経験もかなり例として挙がっていて、わかりやすく説明してあります。200ページちょっとの、そんなに大きくない本で、クリッカー・トレーニングに興味がある人には特にお勧めの一冊です。
Date: 2003/04/04


Clicker Fun: Click and Fix
Deborah Jones
Canine Training Systems
45 minutes

このビデオは、犬の問題行動の改善が焦点です。問題行動として挙がっているのは、コントロールがきかない犬、トイレの躾けがうまくいかない仔犬、跳び付き癖、噛み癖、齧るべきでない物を齧る癖、無駄吠え、呼ばれても来ない、の7つです。どれも一般的な問題ですね。犬が問題行動を起こした時に飼い主がしがちなことは、犬を何らかの方法で罰することです。このビデオによると、これはかえって逆効果だそうです。例えば無駄吠えする犬の場合、他の犬とのコミュニケーション、ストレス解消、吠えたいから、注目されたいから、構って欲しいから、と吠える原因はいろいろだと思いますが、うるさいから静かにするように言う、そして一度言っても言う事を聞かない場合には、叱る側の声のボリュームもだんだん大きくなって来るのではないでしょうか。構って欲しくて吠えていた犬の場合、吠えることによって叱られることを構ってもらえると勘違いして、こちらが叱れば叱るほど、吠えるのもエスカレートしてしまう、ということは不可能ではありません。

これはクリッカー・トレーニングのビデオですが、このような問題行動の矯正にクリッカーを使わなければならないわけではありません。ですから、ビデオで紹介されている矯正方法は、クリッカー・トレーニングをしていない犬にも役に立つ、あるいは少なくともヒントになると思います。

1)コントロールがきかない犬
興奮しやすく、ハンドラーの言うことを全く聞かない犬をどうしたらいいかですが、このような犬の根本的な解決法は挙がっていませんでした。ただ、状況改善のために、いくつかの方法が紹介されています。まず、クレート・トレーニングをして、来客があった場合など、そのような犬がいて迷惑な状況では、犬をクレートの中に入れておくという方法。解決法ではありませんが、対処法ではありますね。したい放題する犬の場合は、自由が与えられ過ぎている可能性があるので、長いリードを使って、家の中でも繋いでおくことにより行動を規制する、という方法もあります。散歩の時にコントロールがきかない犬は、ジェントル・リーダーなどを使って、行動を規制する。あるいは、肉体的、精神的な運動を十分にさせて、犬が退屈しないようにする。犬のおもちゃをハンドラーがコントロールする、など。つまり、ハンドラーと犬の主従関係をはっきり犬に理解させる、ということですね。

2)トイレの躾けがうまくいかない仔犬
これは、「飼い主の責任だ」ということです。仔犬は長く排泄、特にシーの方を我慢できないので、定期的に外に連れ出すべきだというわけですね。室内トイレで排泄させる場合には、トイレの場所をしっかり把握させれば、失敗は防げるはずです。

3)跳び付き癖
これは幸も仔犬の頃にしました。私は'off'のコマンドを使って、跳び付いたら'off'、跳び付くのを止めて座ったら'good girl'で矯正しました。ビデオでもだいたい同じことをしていました。跳び付かずに、4本の足でちゃんと立っていたらクリック&トリート、です。4本の足が地面に付いている状態では跳び付くことはできないので、それを分からせていくわけですね。

4)噛み癖
仔犬の甘噛みを許している人がいますが、これはやめた方がよさそうです。幸も仔犬の頃にはしましたが、遊んでいてちょっとでも噛んだら、即座に遊びを止めてその場を立ち去るようにしていました。噛むと遊んでもらえなくなる、と分かったようで、それ以後噛むことはなくなりました。このビデオでも、全く同じ事を勧めています。

5)齧るべきでない物を齧る癖
犬は何かを齧りたいという自然の欲求があるそうで、その欲求を満たすのに適当な物が与えられていない場合に、齧るべきではない物を齧ってしまう可能性が高いそうです。それを防止するためには、犬が齧ってもいい物を与える必要がありますね。ビデオで紹介されていたのはコングで、それを魅力的にするために、空洞になっている部分にピーナッツ・バターを塗って、さらにビスケットを入れる、という方法です。幸が小さい頃は、よくコングにビスケットを入れて渡しました。それも、簡単に出せないようにかなり手の込んだ事をして。ビスケットが出て来るまで齧っていましたよ。あれだけ熱心に齧れば、齧りたい欲求が十分に満たされていたように思います。

6)無駄吠え
犬が吠えるのは、いろいろな理由があるでしょう。例えば、他の犬とのコミュニケーション、ストレス解消、ただ単に吠えたいから、注目されたいから、構って欲しいから、などなど。原因は何にしろ、度が過ぎるのは困りますよね。幸は小さい頃から、遊んでいて興奮した時以外吠えませんでしたが、無駄吠えするような犬は職場に連れて行けないので、吠えることに関してはかなり力を入れて躾をしました。吠えても何もいいことはない、という状況を作ることによって理解させました。ビデオでは、吠えている犬が吠えるのを止めたらクリック&トリート、それで矯正していく方法が紹介されています。

7)呼ばれても来ない
呼ばれて自然に来る仔犬は、そういないと思います。「来い」はある程度練習が必要でしょうね。いろいろな練習方法がありますが、ビデオでは、二人の人間がそれぞれクリッカーとトリートを持って、順番に呼んで来たらクリック&トリート、という方法が紹介されていました。そして、「来い」を使う時には、犬が来たくない状況の時は避けるようにということです。例えば、「「来い」と言われたので行ってみたら、爪を切られた、獣医の所に連れて行かれた、では、「来い」と言われても来たくなくなりますよね。私もこれは気を付けています。幸があまり好きではないことをする場合には、「来い」のコマンドは使わず、違う方法で誘っています。
Date: 2003/03/30


Clicker Fun: Click and Go

Deborah Jones
Canine Training Systems
30 minutes

デボラ・ジョーンズという心理学の博士号を持っている人によるビデオ。この人は犬のオビーディエンス・トレーナーでもあり、Planet K-9という自分の学校を持っています。このビデオは、クリッカー・トレーニングの概念とクリッカーの使い方、いろいろな教え方についてカバーしています。

クリッカー・トレーニングでは、教え方が三つあると言われています。一つはシェーピングと言って、犬に期待する行為に少しでも近いことをした場合にそれを強化して行き、最終的に期待する行為ができるようにビルドアップしていくものです。ビデオの例では、「箱を使ってできる101のこと」というゲームを使っていました。床に箱を置いて、匂いを嗅ぐ、齧るなど、犬が少しでも興味を示したらクリック&トリートしていきます。そして、最終ゴールを例えば箱の中に入らせるということに決めたら、それに近付くように積み上げて行きます。

二番目はルアーで、食べ物を使って犬をガイドすることによって、こちらが期待している行為に導くもの。例えば、「伏せ」を教える場合に、犬の鼻先に食べ物を近付けてそれを段々下げて行く事により、食べ物を追い掛けて犬は「伏せ」の体勢になる、というものです。

三番目はターゲットを使ったもので、犬はそのターゲットに吸い付けられるように行動するように練習するものです。幸もクリッカーの導入でしましたが、お皿をターゲットにするなら、それがどこにあっても犬はそこに鼻を付ける、あるいは足で踏むなどするわけですね。

そして、こちらが期待している行為が起こる可能性が高くなって来たら、キューを導入します。「伏せ」の場合だったら、上のどのような方法で教えてもいいのですが、それが定着して来たら「伏せ」と言った時に犬が伏せるようにするわけですね。

これがもっと定着して来たら、今度は毎回その行為が起こる度にクリック&トリートするのではなく、何回か続けて出来た時にご褒美が与えられる、というように変えて行きます。毎回クリック&トリートがあるのは、continuous reinforcer, ランダムにクリック&トリートがあるのは、variable reinforcerと呼ばれていますが、continuous reinforcerの方は、ソーダマシンに例えられています。お金を入れれば、毎回必ずソーダが出て来るわけですね。variable reinforcerの方は、スロットマシンに例えられていました。お金を入れてレバーを引くと、コインが出て来る場合もあれば出ないこともある、それでも出ることがあるので、何度もしてみる、というわけです。

これは、連続アクションを教える場合に使うと便利です。例えば、ハイジャンプとダンベルのリトリーブのコンビネーションの場合、バーの向こう側にあるダンベルをキューが出てからバージャンプをして取りに行き、またジャンプしてハンドラーの前に座る、ダンベルを渡す、フィニッシュをする、そこまでしてクリック&トリートするわけです。
Date: 2003/03/27


Clicker One: Getting Started

Kay Laurence
A Learning About Dogs & Splash TV Production
47 minutes

これは、私が初めて見た、クリッカー・トレーニングのビデオでした。イギリスで製作されたものです。このビデオは、クリッカー・トレーニングの初心者向けのものなので、基本的なことのみをカバーしています。

まず、クリッカーとは何かの説明から始まります。クリッカーの使い方、クリッカーの種類(普通よく見るタイプの他に、プラスチックのもので、「プチン」というような音がするものが紹介:ただこれは耐久性がないという説明も)、そして、クリッカーの代用品として使える物の紹介があります。例えば、ペントップ(押すとペン先が出たり引っ込んだりするタイプのペン)とビン入り飲料の金属製のふたが挙がっていました。

次にトリートについて。理想的なトリートがいくつか挙げられていましたが、中には「これはちょっと」と思う物もいくつかあります。挙がっていたのは、調理した肉やレバーなどの内臓肉、サンドイッチ用の薄くスライスしたハム類、チーズ、ドライフード、チューブ入りのチーズです。ハムやチーズは塩分がかなりありますよね。チューブ入りのチーズは、私はアメリカでは見たことがないと思うのですが、イギリスでは普通に使うものなのでしょうか。あるいは、私が見落としているだけなのか。今度スーパーでちゃんと見て来ましょう。これは、小さい犬やあまり食欲のない犬に使うといいとされています。チューブを握ってちょっとチーズを出し、犬はそれをご褒美に舐めるわけですね。

練習に入ります。まず、クリッカーの音とご褒美のアソシエーションを付けるアクティビティが紹介されていました。クリッカーを鳴らしてトリートを投げる、ということを何度か繰り替えます。これを勧めている人が結構いますが、私はこのステップは省略できるものだと思います。これをするより、「何かをするとクリッカーが鳴って、ご褒美がもらえる」ということを犬に分からせるようなアクティビティに入った方が、効果的であるような気がしますが、どうでしょうか。

次に、犬にターゲットを分からせるアクティビティがありました。このビデオでは、丸太を使っていました。これはおもしろい匂いがするでしょうし、犬が自然に興味を持つ物ですね。犬が丸太に鼻を触れると、クリック&トリート。この時にトリートを床に投げていましたが、これは犬を丸太から一度離れさせる目的でそうしている、という説明でした。私はトリートは犬の口に持って行きます。最初は鼻でちょっと触れるだけでクリッカーが鳴ったのですが、そのうち触れている時間を長くする、前足を乗せる、など期待することを段々高度にしていきます。

次に、キューを入れます。これには、コンフォメーションのために立ち込みの練習をしているシェルティが使われていました。理想に近い姿で立てたらクリック&トリートなのですが、これにキューとしてハンドシグナルを入れていました。シグナルは二つあり、立ったまま静止するためのものと、足の位置がずれている時に修正するように指示するためのものです。

「お手」を教えるには、ハンドラーが手にトリートを持ち、犬がその手を鼻で触れる事により手の中のトリートがもらえるという方法でしていました。

望ましくない行為の除去法には、望ましいものに対してクリックするということをしています。例えば、とびつき癖のある犬には、飛びついている間は何もせず、座ったらクリック&トリート。これは、「飛びつく事と座ることは同時にできないので、座る行為を強化することにより、とびつき癖を除去する」という考え方に基づいています。幸も仔犬の頃、とびつき癖があって困りましたが、飛びついたら'off'、座ったら'good girl'を使って克服しました。

このビデオを私が見ていた時に、幸は私の隣に来て、テレビの画面に鼻を近付けていました。犬がおもしろいことをしているので、興味を持ったのでしょうかね。
Date: 2003/03/22


Click to Win!: Collected Articles from the AKC Gazette

Karen Pryor
Sunshine Books
2002

AKC Gazetteという月刊誌に書かれたKaren Pryorの記事を集めた100ページに満たない小冊子です。記事は全部で16あり、その他に付録として4項あります。装丁はすばらしく、写真もとてもきれいです。

この著書のフォーカスは、コンフォメーション(一般的に「ドッグ・ショー」と呼ばれているものですね)において、クリッカー・トレーニングをいかに役に立てることができるかで、いろいろなヒントが書かれています。トロットがきれいに見えるように練習するにはどうしたら効果的か、立ちこみが毎回理想的な姿になるようにするためには、どのように練習すればいいか、などなど。

第15章は、「クリッカーはこういうものではない」というタイトルで、クリッカーの正しくない使用法や、間違った概念について述べられています。一番最初に「クリッカーは、犬のアテンションを得るために使うものではない」というタイトルで書かれていますが、これはクリッカー・トレーニングを始めたばかりのハンドラーがしがちな間違いだそうです。犬のアテンションを得るためにクリッカーを使うと、最初は聞き慣れない音がするので、犬は反応したりします。クリッカーを鳴らすことにより、「来い」ができなかった犬が飛んで来たりすると、ハンドラーは喜ぶわけですね。しかし、慣れて来るとそれは犬にとって、他のピーピー鳴るおもちゃや回りの騒音と何ら変わらない音になってしまうわけです。そうなってしまってから、クリッカーを使ってトレーニングをしようとしても、もうその音に反応することはありません。クリッカーは、こちらが期待している行動を犬がした時にそれをマークする道具ですから、よく考えればこのような使い方はなされないはずですが、わざわざ書いてあるということは、そういう間違いがあるからでしょうね。

第16章は、リッターにクリッカー・トレーニングをしているブリーダーについてです。仔犬の目が開き、耳が聞こえるようになると同時に、クリッカー・トレーニングを始めるわけです。そんなに小さいうちからクリッカー・トレーニングをしておくことにより、仔犬が新しい家へ行くのに適当な年齢になる頃までには、いくつかのキューに反応するようになります。そして、その仔犬の新しいオーナーに、クリッカーとクリッカー・トレーニングの基本概念が書いてある本を渡す事により、その仔犬は新しい環境でもクリッカー・トレーニングを続けていくことができるわけですね。ページには12頭のゴールデン・リトリーバーの仔犬が食餌をしている様子を表す写真が挿入されていますが、ゴールデンのように一度にたくさん生まれる犬種のブリーダーは、大変ですよね。クリッカー・トレーニングをするにも、仔犬12頭ですからね。しかし、そこまでできる熱心なブリーダーの所で育った仔犬は、新しい家に行くまでにトイレのトレーニングもできているかもしれませんし、最低必要な「座れ」や「伏せ」などのコマンドにも反応するようになっているかもしれません。もしそうなら、その仔犬を迎える飼い主は、それ以後の躾けがしやすくなりますよね。

付録は4項目ありますが、「クリッカー・トレーニングを始めるにあたっての15のヒント」「シェーピング10法則」「ターゲット・トレーニングについて」「望ましくない行動の除去8法則」となっています。
Date: 2003/03/19


Clicking with Your Dog: Step-by-Step in Pictures

Peggy Tillman
Sunshine Books
2000

この本は、タイトルにもあるように絵が多く、だいたいどの項目も、見開きの左ページに説明が、右のページにそれを図解してある、という構成になっています。

第一章は、クリッカー・トレーニングについての説明とこの本の使い方、第二章は、クリッカー・トレーニングに必要なものと、クリッカーの導入について。導入には二つの方法が載っています。一つは、クリッカーを鳴らしてトリートを与える、という作業を数回繰り返すもの。そうすることにより、犬はクリッカーの音とトリートを結び付ける訳ですね。もう一つは、この本の中のアクティビティを何でもいいから一つ選び、それが出来たらクリック&トリートを与えるという方法。何かをするとトリートがもらえる、というアソシエーションを植え付ける方法ですね。私は、この本の中のアクティビイティを使ったわけではありませんが、二番目の方法でクリッカーの導入をしました。もう既に書きましたから繰り返しませんが、お皿をターゲットにしたアクティビティをしました。第三章は「マナー」というタイトルで、「座れ」「来い」「伏せ」「ステイ」「リードを引っ張らずに歩く」などを教える方法が書いてあります。第四章は、生活に役立つスキルで、例えばクレート・トレーニング、ハウス・トレーニング(トイレの躾け)、車に乗るなどについて言及されています。第五章は、トリックやゲームなど、第六章は、クリッカー・トレーニングができるクラスの見つけ方、トリートのことなど、第七章は、「安全な犬にするために」で、噛む癖や無駄吠えなど、問題行動を防ぐためにするべきことについて書かれています。第八章は、「犬の権利」で、犬が幸せに暮すために必要なものについて。犬は、健康的な食べ物、社会性を養うためのアクティビティ、人と一緒にいること、安全な環境、遊び、仕事、運動、刺激、静かな時間、理解、が必要だとされています。第九章と十章には、主に参考文献やサイトなどが列挙されています。

第一章の「この本の使い方」のところにも書いてありますが、これは読み物、というより辞書のように使えるかもしれません。私は最初から最後まで全部読みましたが、何か特別教えたいものがある場合には、この本の該当項目を読んで実践する、そういう使い方も十分可能です。

第七章の「安全な犬にするために」の項には、おもしろいことが書いてありました。それは、子供に「犬の正しい扱い方」を教えるというものです。1ページにリストになっているのですが、これはTerry Ryanという人のThe Toolbox for Remodeling Your Problem Dog (1998, Howell Book House)からの抜粋だということで、ティルマンさんの発案ではありません。例えば、「犬が食餌をしている時やおもちゃを齧っている時は、そっとしておきましょう。もしあなたが犬を撫でたりすると、犬はびっくりして心配することになるかもしれないから。あなたは、キャンディ・バーをいつもお友達に分けてあげたいと思う?」(p. 145)という感じで、子供が自分をその立場に置いて考えやすいように書かれています。親が子供に読んで説明してあげるとよさそうです。もう一つ「犬に近付く時には、横からがいいでしょう。後ろや真正面はだめです。手を伸ばして、「グー」にして犬に見せましょう。犬があなたのことが見えるようにね。見ていなかった時に友達に触れられて、びっくりして飛び上がったことがない?これは礼儀正しくないですよね」。幸は子供にちょうどいい大きさであるためか、散歩しているとよく触りたがる子供がいるのですが、犬の扱い方に慣れている子供はまず「触ってもいいですか」と聞きますね。それからグーを出していますよ。
Date: 2003/03/16


Getting Started: Clicker Training for Dogs (Revised Edition)

Karen Pryor
Sunshine Books
2002

著者はハワイの海洋大水族館のイルカの調教師だった人ですが、1963年にクリッカー・トレーニングの理念をイルカのトレーニングに使い始めたそうです。そして、トレーニング法が確立してくるとともに、イルカだけでなく他の海の生物にも応用できる事が証明されたそうです。現在ではコンパニオン・アニマルとしての犬はもちろんのこと、警察犬のトレーニング、馬、猫、鳥、動物園の猛獣に至るまで、このクリッカー・トレーニングが使われています。

この著書は100ページ以下の、本というよりは小冊子程度の薄いものですが、彼女の基本姿勢が書かれているはずだと思ったので、読んでみました。ページ数からも分かるように、この著書には基礎の基礎しか書かれていません。そのため、私にとって新しい情報はほとんどありませんでした。ただ、一つおもしろいと思ったのは、「クリッカー・トレーニングを人間に応用できるか」という項でした(p. 65, 66)。著者の意見では、タイミングが大切な体を使うスキルでは、クリッカー・トレーニングが役に立つということです。例として挙がっていたのは器械体操で、動きが速いものなどは、コーチが喋っている暇がないほど速くいろいろなことが起こるため、クリッカーを使えば、選手が空中で逆さまになっている時でも、その動きがコーチが期待するものであったことを伝えられる、というわけです。その他に実験中のものとしては、歌、言語教育、複雑なタスクを伴う飛行機の操縦などが挙がっていました。歌の練習でクリッカー・トレーニングを導入することをちょっと想像してみたのですが、音程を取るのが難しいところでうまくいったら「カチッ」、リズムがきちんと取れたら「カチッ」という具合でするのでしょかねぇ。「カチッ」と鳴った時に自分がどのように歌っていたかちゃんと覚えていれば、「ああ、これね」と分かりますが、注意が散漫になっていた場合などは、少し難しいかもしれませんね。
Date: 2003/03/02


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