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グリニーズに関する正しい知識を持とう

March 03, 2006

 

米国だけでなく日本でも人気があるグリニーズ。2006年2月15日付のCNNの報道及びcnn.comの記事("Owners: Dog treats killed our pets" by Greg Hunter and Pia Malbra)は、日本で犬と暮らす人々の間でも少なからず反響を呼んでいるようです。

私も幸に時々グリニーズを与えているので、CNNの記事を読んで心配になりましたが、結局その記事は「穴」だらけであり、私が本当に知りたいことがほとんど書かれていない状態だということに気付きました。例えば、CNNの記事には「犬がグリニーズのかけらを食道や腸に詰まらせて、それを獣医が取り出さなければならなかったケースが40、そのうち13頭の犬が死亡した」(翻訳は私)とありますが、「症例40、内死亡13頭」について、その内訳が全く説明されていません。犬種、年齢、その犬の健康状態、消化器官に関する既往症、どの犬にどのサイズのグリニーズを与えたのか、その犬の食癖(何でも噛まずに飲み込んでしまいがちな犬かどうか)、飼い主等の監視下でグリニーズが与えられていたのか、犬がグリニーズをある程度齧ってから飲み込んでいたか、犬がどのような状態でグリニーズを齧っていたのか(一頭で?遊びながら?他の犬と一緒に?他の犬に取られることを気にしながら?)、その犬に小麦アレルギーがあったかどうかなど、書かれていたらもっと全体像がはっきりしてくるであろう要因が、すっかり欠如しているわけです。それにCNNの調査では、ほとんどの飼い主は犬の大きさに見合ったサイズのグリニーズを与えたのに問題が起こった、ということですが、これも非常に疑問です。給仕目安を鵜呑みにして、自分の犬の年齢や健康状態は考慮しなかったのではないか、などいろいろな可能性が考えられます。

そのような穴だらけの報道や記事を元にしていることもあり、少なくとも私が見てみた限り、日本語で書かれたものには不可欠な情報が欠如していたり、いつのまにか内容に尾ひれがヒラヒラ付いていたりするものが目立ちます。CNNの報道にある、「犬がグリニーズのかけらを食道や腸に詰まらせて、それを獣医が取り出さなければならなかったケースが40、そのうち13頭の犬が死亡した」という部分だけが強調され、これがいつ誰がしたどのような調査に基づくものなのかは、全く重要視されていないようです。この「症例40、内死亡13頭」という数字はCNNの独自の調査に基づくものであり、例えばFDAが正式に起こったものではありません。私が見た日本語のサイトで、この数字が「CNNの独自の調査に基づく」という記述があるものは見当たりませんでした。また、CNNの調査によると2003年から現在までの症例が40であるにも関わらず、これが「去年このようなケースが40あった」や、「アメリカではグリニーズで犬の死亡事故が立て続けに起こっている」というように、いつのまにか報道が間違って伝えられているケースもあります。誰でも気軽にブログで情報を発信できる現在、よほど注意して情報の正誤を判断しないと、どんどん元の報道とはかけ離れた、つまり尾ひれがヒラヒラ付いた話になって伝えられてしまう、非常に残念な結果となります。

自分の犬に時々与えているからには、グリニーズの安全性についてもちろん調べる必要があると思い、入手可能な第一次資料を見てみました。CNNの報道についてはcnn.comの記事を読み、グリニーズについての詳細は、グリニーズの製造会社であるS&M NuTecのサイトから情報を得ました。それらの情報から判断する限りでは、これはグリニーズそのものの問題というよりも、与え方の問題の方が大きいのではないか、と思うようになりました。例えば、グリニーズは5ポンド以下の犬種には適さないと明記されていますが、チワワに与えて問題が起こったケースがあると聞きました(AKCのスタンダードでは、6ポンド以上のチワワは失格)。これは、明らかに与える側の判断ミスだと思います。

私はグリニーズを擁護するつもりは全くありませんし、他人に勧めることも勧めないこともしません。しかし、グリニーズが人気のある商品だけに、自分の犬に与えている人/与えていた人は多いことは確かであるはずです。「グリニーズで事故が起こった」と聞いた時に、短絡的に「じゃ、グリニーズを与えるのはやめよう」と考えるか、正しい知識を得、与えるかどうかは飼い主が自分で判断すべきだと考えるかは、与える人の選択にほかなりません。

自分の犬にグリニーズを与えるかどうか判断する場合、私がキーポイントとなると考える点は以下の通りです。

1)グリニーズは、犬がくちゃくちゃと噛むことにより歯と歯茎の状態及び口内衛生向上を助長するためのものである

ー噛まないで飲み込む犬には、グリニーズを与える意味がない。

ー何でも噛まずに飲み込む食癖がある犬、虫歯、欠歯、歯周病などのために十分に噛めない犬、老犬で噛む力が弱っている犬、超小型犬、小型犬などで顎の力や噛む力が弱い犬には向かない。

2)グリニーズの主な原材料は小麦グルテンである

ー小麦アレルギーがある犬には与えるべきではない。

3)グリニーズは「100%食用」であるが、「100%消化可能」ではない

ーグリニーズには、人間の食用に適さないもの(プラスチックやゴムなど)は使われていない。故に100%食用である。

ー100%消化される食品は、ほぼ存在しない

100%消化されるなら、体外に排出されるべき老廃物が食品からは全く出ないことになる。

ーグリニーズの消化率は、適度に噛んで飲み込んだ場合約85%である

市販のフードは、プレミアム・レベルのもので消化率約80%。

4)グリニーズの給仕目安を鵜呑みにしない

グリニーズの給仕目安は以下のようになっています。

http://www.greenies.com/feedingGuidelines.cfm

・リトルビッツ:5ポンド(2キロ)以下の犬種、生後六ヶ月以下の仔犬、何でも丸呑みがちな犬
・ティーニー:5ポンドから15ポンド(2〜7キロ)の犬種
・ペティット:15ポンドから25ポンド(7キロ〜11キロ)の犬種
・レギュラー:25ポンドから50ポンド(11キロ〜22キロ)の犬種
・ラージ:50ポンドから100ポンド(22キロ〜45キロ)の犬種
・ジャンボ:100ポンド(45キロ)以上の犬種

しかし、これはあくまでも「目安」であり、鵜呑みにするべきではありません。例えば、グリニーズの給仕目安には「生後6ヶ月未満の犬、5ポンド以下の犬種には歯ブラシ型のグリニーズを与えないこと」とありますが、私がチワワの飼い主だったら、まず与えないと思います。この給仕目安は犬の体重に基づいたものですが、どの犬にどのサイズのグリニーズを与えるかは、その犬の健康状態、食癖、年齢などを全て考慮して判断するべきです。そして、人間の手によってサイズや形を大きく改変された犬種の場合、意外な身体的弱点がある可能性があるので要注意です。

5)頻度/カロリーを考慮する

ー グリニーズは、毎日与えなければならないものではない。

ー グリニーズは、意外に高カロリーである。

・リトルビッツ:15.2kcal(1ティースプーン)
・ティーニー:33kcal(歯ブラシ型の一本一:以下同)
・ペティット:67kcal
・レギュラー:112kcal
・ラージ:200kcal
・ジャンボ:399kcal

犬が一日に必要な摂取カロリーは、その犬の体重、年齢、活動レベル、妊娠中/授乳中であるかどうかなどによって変わって来ますが、例えば、普通の活動レベルの10キロの犬が一日に必要なカロリーは、約750kcalです。

6)グリニーズだけでなく食べ物を犬に与える場合は、飼い主の監視下で行う

私は、自分の犬に食べ物を与える場合、必ず私が監視できる状況下で行うようにしています。例えば、留守番中の退屈しのぎにグリニーズなどを与えておくというのは、もし事故が起こった場合に迅速に対処できない大きな原因になります。

7)犬に何を与えるか選択するのは、飼い主の責任

グリニーズのかけらが原因で腸閉塞や食道閉塞を起こして亡くなってしまった犬達が、どのような飼い主の判断に基づいてグリニーズを与えられたかは不明です。しかし、原因は飼い主の判断の誤り以外の何ものでもありません。その犬のことを最もよく知っているのは飼い主である訳ですから、その飼い主が適切な判断を下す必要があると思います。

グリニーズに関して、私が調べたこと、考えたことをJournalに書いてみました。このページの下にそのJournaのエントリーへのリンクがあります。

・2月22日(水)グリニーズによる事故

・2月23日(木)グリニーズの消化性

・2月24日(金)The Truth about Greenies

・2月25日(土)グリニーズ:報道+資料の穴

 

参照サイト:

CNNの報道:"Owners: Dog treats killed our pets" by Greg Hunter and Pia Malbra

Greenies.com

The Truth about Greenies