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トレーニング
2003.02.22

先日柴犬大好きMLで、「来い」ができない4歳の犬についての相談がありました。飼い主の方によると、生後2ヵ月で一緒に暮すようになってから現在までずっと「来い」ができないそうです。公園などでリードを外し自由に行動させるそうなのですが、犬は「来い」ができないために満足するまで2時間ほど戻って来ないそうです。私はこの投稿が非常におもしろいと思ったので、返信しました。指摘した点は次の二つです。

まず、新しい家に迎えられたばかりの生後2ヵ月の仔犬は、普通「来い」と言われて、そのコマンドを理解して来るということはないということです。それ以前に何らかの理由でブリーダーの所などで練習していたならばまた話は別ですが、家に来たばかりの仔犬に「来い」と言ってすぐ来たら、かなり嬉しいですよね(笑)。そういう犬ばかりだったら、犬の躾もかなり楽になります。

次に、「来い」ができないなら、外で自由に走らせるというのは危険が伴う可能性があるのではないかということ。この場合「危険」というのは、その犬自身に加わる危害と、その犬が人間や他の犬に危害を加えるという可能性が全くないとは言い切れないということです。その犬は満足するまで2時間ぐらい戻って来ないそうですが、私には犬が自主的に戻って来るまで2時間も待っている心と時間の余裕がありません。私の生活は私に主導権があり、幸にはないためです。

私は犬に芸を教える事には興味がありません。実際、幸ができる「芸」と呼べそうなものは、「お手」「お代わり」「ハイ・ファイブ」ぐらいのものです。実は、幸が「お手」を習ったのはケンネルに預けた時で、そこのお嬢さんが幸と随分一緒に遊んでくれたらしく、芸を仕込まれて帰って来ました(笑)。せっかくできるようになったので、じゃ、ついでだから「お代わり」も教えようかと思ったら、すぐにできました。「ハイ・ファイブ」も、何かそのような単純な理由からできるようになったのだと思います。

こういうものは、犬と遊ぶ場合には楽しいかもしれませんが、実生活には別に役に立たないものです。私がオビーディエンス・トレーニングに興味があるのは、幸が人間社会で生活していく上で最低のルールを守り、人間にも他の犬にも迷惑をかけない犬にしたかったからです。そして、犬自身の身の安全を確保することも理由の一つです。

AKCのノービス・クラスの項目を見てみると分かりますが、実生活に必要な最低のことしか要求されていません。ハンドラーの歩く速さに合わせて、歩いたり止まったり曲がったりできる(脚側歩行)、ハンドラーの少し複雑な動きにもちゃんと付いて来られる(8の字)、「来い」と言われたらちゃんと来られる(呼び戻し)、座ったままその場を動くなと言われたらちゃんとそれができる(座ってステイ)、伏せろと言われたらそれができて、少し長い時間そのままの状態でいられる(伏せてステイ)、立ったままでいるように言われたらそれができて、ハンドラーがその場を離れてもパニックにならない。知らない人に体を触られても過剰反応しない(身体チェック)。もちろん、競技会でいい得点を得ようとすれば、一つ一つの動きのかなり細かいところまで教え込む必要がありますが、これだけの項目が少なくともある程度できれば、実際の生活にかなり役に立つと思います。

「来い」の教え方については、いろいろやり方があると思いますが、長いリードを使うのも一つだと思います。そして、今日たまたま見ていたビデオで、三人の人間が円になって座り、順番に犬に「来い」というやり方を紹介していました。犬は「来い」と言った人の所に行くと誉めてもらえます。最初は人間#1、#2、#3の順に呼んで、犬に「来い」と言われたらその人の所に行く、そうすると誉めてもらえる、というコンディショニングをします。しばらくすると、犬は呼ばれる順番も分かって来るので、今度はランダムに呼ぶ、ということを導入していました。

犬に最低のコマンドを教えるのは、非常に大切なことだと思います。これは、家の中のルールなどを学んでいる仔犬の時に一緒に教えた方がもちろん楽ですが、仔犬でなくても新しいことを学ぶのは不可能ではありません。もちろん、成犬は既に性格・行動形成されている場合がほとんどなので、教えるのも仔犬ほど単純ではありません。ですから、こちらの忍耐も必要になりますよね。

【写真】グリニーズをくちゃくちゃして、変な顔になっている幸