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Stay!
2003.03.04

クラスでするステイは、グループ・アクテイビティです。座ってステイのsit stayと伏せてステイのdown stayをしますが、sit stayは3分、down stayは5分間します。ハンドラーは犬に座って/伏せてその場にいるようにコマンドをかけ、部屋の反対側まで犬に背中を向けたまま歩いて行きます。犬達がステイをしている間、基本的にハンドラーは自分の犬の正面に立っています。「基本的に」と言ったのは、実はただ立っているだけではなくて、いろいろなことをさせられるからです。犬はハンドラーに「そこを動くな」と言われたら、どんなことが起こっても動くべきではないわけですね。そのことを理解させるために、犬が動きたくなるようなことをいろいろするわけです。

例えば、その場で跳躍をしたり、走る真似をしたり、犬が座ったり伏せたりしている前を、皆で列になってジョギングしたり。その上トレーナーは、一頭一頭の目の前にビスケットを置いたり、ビスケットを見せつけながら歩いたり、テニスボールをポンポンつきながら歩いたり。ドアをノックして「どうぞ〜」とか「誰ですか?」と言ったり、犬の前で、「お散歩」「御飯」「おやつ」などの言葉を発したり...とまあ、いろいろなことをするわけです。

幸を含むこのクラスのメンバーは、そのぐらいのことでは動じません。私達がそんなことをしていると、「何やってんの〜」という涼しい顔でその場にじっとしています。ただ、先日トレーナーが持って来たおもちゃには、ちょっと参りました。

それはブタのおもちゃで、電池が入っていてブヒブヒ言いながら歩くものです。それが犬が一列になっている前をずっと歩いていくわけですね。もちろんどの犬も興味を示します。動いていて音を立てているものに興味を示さない方が不思議ですよね。しかし、「動くな」と言われているので、ほとんどの犬は葛藤するわけです。おもしろそうだから、匂いを嗅いでみたい、近くに寄ってみたい、でも、動くなと言われているし...。実はおもちゃは、それだけではありませんでした。もう一つやはり電池で動くようになっていて、プラスチックのボールの先にラクーンの尻尾のようなものがついているものです。スイッチを入れると、ボールがクルクル回るので、何かの動物の尻尾が動いているように見えます。

犬達はしばらく葛藤していたのですが、一頭が動くともうだめです。オーストラリアン・シェパードがまず先にブタさんをチェックしに行き、その子のハンドラーが犬を元に戻している間に他の子もパラパラと動いてしまいました。幸は...やっぱり好奇心には勝てなかったようで、ブタさんに戦いを挑んでいましたよ〜。それを見た時には、かなりがっかりしました。今までいろいろなディストラクションにも動じなかったのに、なぜブタさんごときで...。

そのことがあってから、何か動くおもちゃを買って来て練習した方がいいかな、と思っていたのですが、その次の時に同じおもちゃが出て来た時の反応を見て少し安心しました。見事に誰も動きませんでした。初めての時は正体不明の物でしたが、二度目になれば何か分かっているのでそれほど気にならなかったようです。

実は、動くブタさんと同じようなおもちゃを用意して練習する事には抵抗がありました。幸のいい所は、小さい頃から何にでも興味を示し、いろいろなことを怖がらずにやってみる点だと思っています。そのような好奇心旺盛な子の目の前におもしろそうなおもちゃを置き、興味を示すな、というのはちょっとかわいそうな気がしたんです。幸にはオビーディエントな犬になってもらいたいと思う気持は変わりませんが、幸の良さを殺してしまうような練習は、なるべくしたくなかったというのが本音です。幸い今回は、問題が自己解決したので、あまり悩まずに済みましたが。

【写真】動くブタさんに負けた幸。ブヒブヒ