成瀬作品(2)

先月下旬から見始めた成瀬巳喜男の作品ですが、なかなかおもしろいです。私が見たのは以下のものだけで、50年代の作品が中心。彼の初出作品は1930年(『チャンバラ夫婦』白黒サイレント)で、最後の作品は1967年の『乱れ雲』なので、私が見てみたのは彼の監督としてのキャリアの後半の作品ということになります。他の年代の作品も見てみないと分かりませんが、それでも同じ監督による作品を何本か見てみると、やはり傾向があることに気付きます。
『めし』(1951年)原節子
『おかあさん』(1952年)田中絹代
『稲妻』(1952年)高峰秀子
『あにいもうと』(1953年)京マチ子
『山の音』(1954年)原節子
『浮雲』(1955年)高峰秀子
『流れる』(1956年)田中絹代、高峰秀子
『娘・妻・母』(1960年)三益愛子、原節子、高峰秀子
『女が階段を上る時』(1960年)高峰秀子
『放浪記』(1962年)高峰秀子
成瀬監督は小津安二郎監督と作風が似ているとよく言われていますが、私が見てみたものに限って言えば、似ているものもありますがかなり違っているものも多いように思います。『めし』と『山の音』は小津監督が好んで起用した原節子を主演女優として使っていることもあり、小津作品と似通っているところがあると思います。しかし、成瀬も小津も人間関係を描いた作品が主であるにも関わらず、その描き方にはずいぶん違いがあるのではないでしょうか。小津作品でも人間の醜悪な面が描かれてはいるのですが、ストレートな表現ではなくフィルターがかかっているような感じがします。つまり、人間の醜い側面が美化されているような感じでしょうか。成瀬の方はその描き方がもっとストレートで、人間関係のドロドロとしたものが直接伝わって来るように思います。
小津が好んで起用したのが原節子なら、成瀬は高峰秀子でしょう。原節子は、そのイメージが清順なものとして固定されてしまったきらいがありますが、高峰秀子の方は同じ成瀬作品の中でも色々なタイプの役を演じています。「けだるい女」のような役もよく似合っていて、『女が階段を上がる時』では、夫を交通事故で亡くした御固いと言われている、銀座のバーの雇われマダムの中に潜む強い感情がよく表現されていたと思います。
今日の幸飯:
鹿肉、鹿内臓肉、納豆、サツマイモ、ニンジン、ブロッコリ、セロリ、リンゴ、パセリ、キャロブ、ケルプ、アルファルファ、生姜、ガーリック、サフラワー油、サプルメント
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