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柴犬の換毛

9月の第一月曜日のLabor Dayも終わり(昨日)、気候的にも気分的にも本格的な秋になりました。幸地方はもう数週間前から紅葉が始まり、枯れ葉もあちこちに散っています。日中の最高気温は、このところ毎日摂氏17、8度です。
幸のアレルギーですが、今年は目の回りに結構症状が出ています。特に右目の回りなのですが、目の上と頬側の端に瘡蓋ができるほど掻いてしまったことがあり、瘡蓋はきれいに取れたものの、その後は毛が抜けた状態。それで、目の回りがはげています。禿げていると言えば、鼻の上もです。これは8月に私が戻る直前に掻いて作った傷だったそうですが、傷は治っても毛はなかなか生えてきません。

幸のサイトを見て下さった方から時々メールをいただくことがあるのですが、その内容で多いのは「実際に柴犬と暮らしている人の意見や経験を尋ねたい」というものです。犬は犬なのですから、各犬種に共通する点も多々ありますが、これだけ種々多用な犬種があり、大きさも形も皮毛の種類も全く違った犬が存在することを考えると、ある犬種に特有の事柄もあるはずです。
犬は飼ったことがあるが柴犬とは暮らしたことがない、日本では犬を飼っていたがアメリカではない、外飼いならしたことがあるが室内飼いは初めてなど、色々な状況によって疑問が出て来るわけです。私が幸と暮らし始めた頃は、現在のようにインターネット上で簡単に情報が入手できるという状態ではなかったので、聞きたいことが聞ける場は限られていました。今は色々な方が色々なレベルで情報を発信しているので、私も自分が知っていることは皆さんと共有する意向で、このサイトを運営しています。そして、これから柴犬と暮らそうと思っている方には、事前に柴犬の実状をなるべくよく把握していただいて、「こんなはずじゃなかった」「思っていたのと違っていたので、柴犬を手放すことにした」という最悪な事態を回避するためのお手伝いができたらいいと思っています。
先日いただいたメールは、これから柴犬と暮らそうと思っている米国在住の日本語が話せる方からでした。ご質問の内容は、柴犬の換毛について。これは、吸引性のアレルギーがある方の場合は特に、事前に実状を把握しておいた方がいいことの一つですよね。
柴犬はダブル・コート、つまり皮毛がアンダー・コートとトップ・コートの二層になっているタイプの犬種ですから、体の保守・保温の目的であるアンダー・コートは、必要になれば密生しますし、必要がなくなれば適度を超える分は脱毛します。つまり、冬になれば保温のために密生し、夏になれば必要なくなるのでそれが抜けるというわけです。換毛の状態は、個体差や年齢、その犬が暮らしている環境の影響も大きいようです。私が詳しく分かるのは当然一緒に暮らしている幸のことですから、幸を例に取ってみようと思います。
まず、皮毛の状態に関係ありそうな幸のデータから:
・年齢:7歳(後二週間ほどで8歳)
・不妊手術:済
・居住地:米国北ニューイングランド地方(アメリカ国内でも冬の気候がかなり厳しい地域)
・屋外で過ごす時間:一日に二時間弱
・夏の室内環境:自然(冷房器具は扇風機のみ)
・冬の室内環境:室内温度摂氏約21度に設定(24時間ほぼ一定)
・健康状態:吸引性アレルギーがあり、8月半ばから一ヵ月ほど皮膚の痒みや目やになどの症状が出る。それ以外は極めて良好
・食事:生肉+生野菜中心
・ブラッシング:一日一回(普段はピンブラシのみ:換毛期はアンダー・コート除去用ブラシ、スリッカー、ピンブラシを総動員)
・シャンプー:一年に三、四回(アレルギーの季節は、皮膚や皮毛に付着した花粉除去の目的で、お湯シャワーだけすることも)
上記の条件の幸の場合の換毛状態ですが、今年を例に取ると、アンダー・コートが抜け始めたのは4月半ばでした。抜け毛の量は一番多い時で、ブラッシングしているうちにブラシが毛で一杯になり、一回のブラッシングでブラシから毛を三度ほど取るぐらいです。例年大腿部から抜け始め、段々頭部の方に移っていくというパターンがあるようですが、だいたい落ち着くのが6月初旬頃でしょうか。
アレルギー症状最盛期は、皮膚が痒いために体のあちこちを齧ってしまいます。それに伴い脱毛するのですが、それが生え揃うのがだいたい10月末です。この辺では10月半ばから下旬にかけて初雪が降るのでその頃はもう寒く、失った毛を元に戻す作業とこれから必要になるアンダー・コートの密生が同時に行われているようなのが、10月半ばから11月にかけてです。
室内犬だから冬になってもアンダー・コートが密生しないかというと、そうではありません。屋内から一歩も外に出ないわけではないのですし、真冬は摂氏だとマイナス30度を超える日もある土地ですから、屋内で過ごす時間がほとんどの幸のアンダー・コートも、ちゃんと冬用になります。
抜け毛の対処法ですが、人為的にコントロールしたい場合は、例えばMrs. Allen’s Shed-stop(この商品名で検索すればヒットします)のような、抜け毛を防ぐサプリメントのようなものが市販されています。これは、ビタミンやミネラル、オイル、ハーブなどを混合したもの。しかし私は、自然に任せるのが一番だと考えているので、換毛期にはブラッシングを念入りにすることで対処しています。死毛が皮膚付近に付着したままでは皮膚のためによくないでしょうし、部屋中に抜け毛をまき散らされるよりは、ブラッシングで出来る限り取ってしまった方が賢明です。そして特に換毛期には、部屋の中の掃除をまめにするようにしています。家にある掃除機はアレルゲン除去機能の付いたもので、カーペット用ヘッドは表面だけでなく、内部からも埃などをたたき出して吸い取るタイプのものです。幸が生活しているスペースでカーペットを敷いてある部分は少ないのですが、それでもその強力ヘッドを使って掃除しています。幸は一日のほとんどを私と一緒にオフィスで過ごしているのですが、オフィスの床は全面カーペットです。ここのカーペットの掃除は二、三日に一度係の人がしてくれるので、換毛期でも幸の抜け毛が目立つということはありません。もう一つは、洗濯。幸の惰眠貪り用ベッドのカバー、クレートの中敷き、おもちゃなど、洗えるものは全て洗っています。幸の物を洗濯した後の乾燥機の「毛詰まり防止フィルター」を見ると、一面びっしり抜け毛で覆われているほど。
換毛も、年齢と共に変化するということを聞いたことがあります。季節に合わせてぱっと抜けてぱっと生える代わりにだらだらと換毛が続く、あるいは、「なぜこんな時期に」と思うような時に毛が抜けたり密生したりする、ということが加齢と共に起こる可能性があるそうです。これは、加齢による新陳代謝の低下と関連があるように思います。
英語で柴犬の換毛の様子を’blow their coat’(吹き出すようにば〜っと抜ける)という表現を用いて表すことからも分かるように、柴犬は一般的に換毛期には派手に毛が抜ける犬種だと思います。ですから、私が実践しているような対処法で対応しきれない場合や、吸引性のアレルギーが酷いメンバーが家族にいる場合などは、ダブル・コートではない犬種を選んだ方が賢明でしょう。それでも、例えばアラスカン・マラミュート、シベリアン・ハスキーや他の日本犬に比べると柴犬は体が小さいので、まだmanageableかもしれませんね。
このJournalを読んで下さっている柴犬飼いの皆さん、何か追加点や皆さんの経験などがありましたら、コメントよろしくお願いいたします。
今日の幸飯:
ウサギ肉、ウサギ内臓肉、サツマイモ、ニンジン、ブロッコリ、セロリ、リンゴ、パセリ、キャロブ、ケルプ、アルファルファ、生姜、ガーリック、フラックスシード・オイル、サプルメント