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怪我

幸が怪我をしてしまいました。これは実は昨日、つまり幸の8歳の誕生日に起こったことです。夕方の散歩から戻って来た時に、待ち合わせをしていた人が既に来ていたので、私がオフィスにかばんなどを取りに行く間、幸と外で待っていてもらうことにしました。私のオフィスがある建物のすぐ外だったので、私が不在にしたのは時間にするとほんの3分ぐらい。かばんを取って戻って来たら、その人が幸をだっこしていました。この人は理由もなく幸をだっこすることはないので、それを見た瞬間何か起こったと思いました。何があったか聞いてみて、私は幸を置いて一人でかばんを取りに行ったことを本当に後悔しましたよ。
この人は外のベンチに座っていたのですが、そこに幸も座らせようと思って、抱き上げて座らせたそうです。幸は、家の中でもカウチや椅子などの家具には乗ってはいけないことになっているので、外のベンチであれ自分から飛び乗ることは絶対にありません。そのベンチは木製で、座る部分は同じ幅の板を渡してあるような作りです。つまり、一枚の板の上に座るようになっているわけではなく、板と板の間にはスペースがあるわけですね。そのスペースは、幸の脚だったらすっぽり大腿部まで入ってしまうほどの幅です。幸は、そんな不自然な所に座っているのは嫌だったのでしょう。すぐに飛び降りたそうですが、その時に板と板の間のスペースに左後ろ脚が引っかかってしまい、悲鳴を上げたそうです。しばらくは、びっくりしたのと痛みでその場から動けなかったそうですが、その後は歩けたのでその人は幸をだっこして様子を見ていたそうです。
事情の説明を受けて、幸を下に降ろしてもらい、私は幸の脚をチェックしました。骨には異常がないようでしたし、左後ろ脚全体を触っても特に痛いスポットはないようです。すぐに獣医に連絡しようかと思ったのですが、既に午後7時を過ぎていたので、取りあえず家に帰ることに。その頃には幸は普通に歩いていたので、大丈夫かなと思っていました。
昨日の晩は、なるべく安静にするようにして様子を見ていましたが、特に異常は認められませんでした。自分からおもちゃを持って来て遊んだりしていたので、痛みもなかったのだと思います。いつものように惰眠貪り用ベッドでくつろいだりして過ごし、晩にはクレートに入れましたが、いつものようにくるくるっと回ってストンという感じで、クレートの中でくつろぐ体勢になりました。
今日は土曜日で私は家にいたのですが、朝クレートから出した時も平気そうだったですし、その後もおもちゃを持って来て遊んでいました。事故が起こった当時私はその場にいなかったので、報告を受けただけですからどれほど酷く脚が引っかかってしまったのかは分かりません。とにかく、普通にしているようなので大丈夫だと判断し、いつものようにブラッシングしたり、歯を磨いたりしていました。
しかし、それが終わった後に幸に齧り物を与えようと思ってコマンドを出したら、幸が「伏せ」の姿勢になれないことに気付きました。幸の「伏せ」は、後ろ足がどちらもほとんど見えないほど内側に入った状態になり、いつもはそれが左右対称であるのに、今日は左だけ外側に飛び出していました。トレーニングをしていることで、正常な「伏せ」がどのような状態か分かり、それと比較することができたわけです。コマンドが出れば「伏せ」の姿勢になろうとするのですが、その時にまず前脚を折って一度お尻が上がった「遊ぼうよ」の姿勢になり、それから伏せていました。幸は「ドロップ」つまり立った状態からパタッと伏せができるので、これはどう考えても異常です。脚が痛くて「伏せ」の姿勢になれないなら絶対に昨日の事故が原因であるはずですから、すぐに獣医に電話して診てもらう予約を取りました。しかし、今日は土曜日で、午前中だけの診察です。その時は予約が取れないと言われたのですが、急患だということで診てもらうことに。歩けるのだから骨自体は大丈夫なはずなのですが、何か嫌な予感がして、月曜日まで待たない方がいいと判断したわけです。
事情を話して幸の歩き方を見てもらい、「伏せ」をする時に不自然になる旨を説明しました。獣医は、幸の動作を観察した後触診に移りましたが、それが終わると「いいニュースは骨が折れていないこと。悪いニュースは膝のお皿がずれてしまっていること」と言いました。つまり、膝蓋骨脱臼(patella luxation) です。柴犬に見られる先天性異常の一つですから、柴犬の飼い主の方々は聞いたことがあるのではないかと思います。
先天性の場合は、膝の骨の形そのものに異常があってお皿がずれるのですが、幸の場合のように、無理な力がかかったために後天的にずれてしまうこともあります。膝蓋骨脱臼にはその程度によって四つ段階があるそうですが、幸の場合は恐らくグレード1、つまり、膝蓋骨は普通正常な位置にあるのですが、例えば人の手などによって簡単に脱臼させることができ、手を放すと脱臼していた膝蓋骨が元に戻るという状態です。幸の場合は恐らく、脚がベンチに引っかかった時に靭帯を伸ばしてしまったためにお皿がずれ、その後ずれたお皿が自然に元に戻り、そのため正常に見えたわけですが、獣医がお皿を動かすとずれることから、一週間の絶対安静を言い渡されました。ずれて、戻って、という状態を繰り返しているうちに軟骨が摩耗して悪化するため、ずれるようなことを極力避けることが目的ですね。
炎症防止の目的で痛み止めが処方され、それを五日間服用することになりました。一週間安静にして様子を見、その後大丈夫そうなら少しずつ慣らしていくことになります。どの程度の安静かですが、長い散歩は禁止、走る、ジャンプするなど膝に負担がかかるような動作は全て禁止、激しい遊びも禁止、ということです。幸は元々、家の中で家具に飛び乗ったり階段の上り下りはしませんから、その点は心配要りません。しかし、幸はかなり激しい遊びが好きなので、遊びが禁止というのは辛いでしょう。それに、長い散歩が禁止となると、お仕事が心配です。たいてい、ある程度歩いて運動した後でするので、その「運動」の部分が割愛されると、どうなるか...。今日は、いつものごとく獣医のオフィスで極度の緊張のため脱糞したので(今回の場合脱尿までして、私は床の掃除に忙しかったわけです)、「出すものは出した」という状態になっていますが、明日からの散歩を工夫しないといけません。今日の夕方の散歩は私がだっこして連れて行き、幸の「クンクン・スポット」に着いてからしばらく幸を歩かせました。そして、何度か#1をした後はまた抱き上げて歩きました。
事故は、思いがけない時に起こるものですが、幸を人に預けた3分ほどの間にこれほど重篤なことが起こるとは思ってもみませんでした。幸は性格的に慎重で無理はしないタイプの犬ですし、私も幸が小さい頃から、怪我をさせないように気をつけて来たつもりです。それなのに、よりによって誕生日に怪我をしなくても...。本当に皮肉なことです。幸をベンチに乗せた人が、なぜ犬をそのような不安定な所に座らせようと思ったのか理解できませんし、その人に対する怒りの気持ちはもちろんあります。幸の膝の状態がこの先改善されなかったら、私はこの人を法的に訴えたいほどです。しかし、その人に幸を預けるという判断をしたのはあくまでも私ですし、何が起こっても私のその判断が原因であるわけですよね。犬の扱いに慣れていない人、幸の性癖を理解していないような人には、たとえ短時間であろうとも幸を預けるべきではなかったんです。
獣医のオフィスから帰る車の中でそんなことを考えていたら、そのような軽卒な判断をした自分にどうしようもないほど腹が立ち、涙がボロボロ出て来てしまいました。幸の安全と健康を守らなければならない立場にある自分の、「すぐだから」という判断が、取り返しのつかないことになってしまったわけですね。夏に幸がパッドを怪我した時にも思ったのですが、自分の犬を人に預けるのは、非常にリスクを伴うことだということを再認識させられた出来事でした。
今日の幸飯:
雉肉、雉内臓肉、サツマイモ、ニンジン、ブロッコリ、セロリ、リンゴ、パセリ、キャロブ、ケルプ、アルファルファ、生姜、ガーリック、マツヨイグサ油、サプルメント