Archives for March 4, 2009
Wings of Defeat

日本語のタイトルは『特攻—Tokko—』となっていますが、試写会があったので行って来ました。この映画は日本では2007年に公開されたもので、特攻隊についてのドキュメンタリーです。特攻関連の映画は色々ありますが、その中でこの映画が異色である点は、監督がアメリカ人であるということでしょうか。リサ・モリモトという人ですが、名前から分かるように日系人です。彼女はニューヨーク生まれニューヨーク育ちですが、自分の日本の先祖に特攻隊のメンバーだった人がいることを知り、それがこの映画を作るきっかけになったそうです。インタビューは日本語でしていましたが、片言のレベルですかね。インタビューの日本語のスクリプトは、お母さんにチェックしてもらったそうです。
この試写会には、映画のプロデューサー、リンダ・ホーグランドが随行していたのですが、この人もまたおもしろいバックグラウンを持つ人です。親御さんがキリスト教の宣教師であったため、中学校まで日本の公立校に通ったそうで、日本語はかなりのレベル。プロデューサーの他に監督もするそうですが、一番よく知られているのは日本映画の英語字幕翻訳家としてではないでしょうか。彼女は200本近くの字幕翻訳を手がけて来たそうで、よく知られているものには『ウォーター・ボーイズ』『ワンダフルライフ』『もののけ姫』などがあります。
特攻隊についての映画は色々見てみましたが、その中には「お国のために、天皇陛下のために」の裏にある人間としての当然の感情が描かれているものもあり、このドキュメンタリーのインタビューで特に驚くような新しい情報はありませんでした。しかし、ドキュメンタリーの強みは、実際にそれを経験した人の口から、その人々が操る言葉で体験を聞くことができる点でしょう。
「特攻隊の生き残り」と言っては失礼ですが、その方達も皆70代、80代で、今度は人間としての寿命を間近に迎える年齢になっています。そういう意味では、このようなドキュメンタリーが作れる最後の機会だったのかもしれませんね。これから同じようなものを作ろうとすると、セカンダリー・ソースしか入手可能ではなくなりますからね。